的を絞ったデザイン: 時代にあった変革を

By: Ed(ward) Boyd
Vice President of Design, Dell

現段階で、企業向けテクノロジーのランドスケープで最新の開発の牽引役となっている、主要な要因が2つあります。1つ目は、10年前には夢想だにしなかった場所で、情報に対するニーズが発生していることです。2つ目は、企業向けテクノロジーのユーザーが希望する形や機能が、既に具現化されていることです。企業向けテクノロジーのユーザーは、自宅や外出先で使用する、スマートで直観的に操作できる製品に慣れ切っています。ミレニアル世代は、こうした製品が当たり前の世界で育ってきました。この世代では、製品の製造元を意識することや、耐用年数を過ぎた製品を適切に処分することも当たり前となっています。

当然、こうした期待は職場にまで及んでおり、企業向けテクノロジーと消費者向けテクノロジーの垣根は、大幅に低くなっています。

総合的な「フリーサイズ」アプローチを取った場合、どのニーズにも常に最適なソリューションを提供できるとは限りません。当社はその答えとして、よりカスタマイズされたソリューションの提供によって、さまざまなお客様のニーズにさらにきめ細かく対応する方向にかじを切りました。

当然、それぞれのソリューションをじっくりと検討し、うまく作成する必要があるため、現在では、多様なバックグラウンドや経験を持つ100名を超えるスペシャリストが、当社スタッフとしてニーズへの対応にあたっています。ラウンドロック、オースティンのほか、アムステルダム、シンガポール、台湾にあるラボやスタジオでも、材料のスペシャリスト、市場や動向のリサーチャー、ユーザーインターフェイスのデザイナ、パッケージデザイナ、行動心理学者、エスノグラファー、アーキテクトが働いています。体験を直観的であると感じさせるものが何かは把握しにくいため、当社では、その特定にさまざまな視点を取り入れています。

総合的な「フリーサイズ」アプローチを取った場合、どのニーズにも常に最適なソリューションを提供できるとは限りません。

お客様のニーズが届く5年前にニーズを予測し、その時点でニーズに対応することも、同様に困難です。それを可能にするには、お客様について良く知り、お客様の実績にとって何が重要であるかを理解するしかありません。ここでは、非常に限られたお客様の役に立つソリューションの例として、頑丈なソリューションを取り上げます。屋外で作業する場合、耐久性に優れたツールが必要です。屋外では、手袋の着用、濡れながらの作業、直射日光の下での画面の確認が必要となります。このほかにも極端な温度、湿度、高度など、さまざまな環境に関する課題があるため、ハードウェアに対する要望を集めたリストは、かなりの長さになります。

当社の研究開発では、この製品のフォームファクタを最大化するために時間を割き、ソリューションのデザインを全面的に見直しました。その成果として挙げられるのが、衝撃吸収用のウルトラポリマーシェルと、防水性と防塵性を高めるための圧縮ガスケッティングです。まぶしさを軽減してバックライトの使用を抑制し、バッテリ寿命を最大限に延ばしました。また、これらの軽量、薄型のデバイスは、頑丈で、その上実用的である点が、デバイスが使用されるジョブの特性に適合します。当社の目標は、生産性の向上に役立つと同時に、楽しんで使用できるツールを提供することにあります。この目標を達成するには、ジョブに適したツールの作成が重要です。

その製品は、砂漠で活動する兵士にはうってつけかもしれませんが、映画スタジオの視覚効果デザイナであるエンドユーザーには適さない可能性があります。こうした2人のユーザーを並べた場合、デザインをそのまま流用しても意味がありません。VFXエディタは、固定ワークステーションで強力な機能が使用できることを望んでいます。固定ワークステーションから離れた場所では、作業のグラフィックス要件を満たし、十分な表現力を持つ画面に表示できる、薄型で目を引くモバイルワークステーションを持参します。

堅牢なコンピューティングを求めるクリエイティブプロフェッショナルの抱える制約は、多くの場合、かなり特殊であり、その1つが作業スペースです。自動車会社のエンジニアやデザイナなどは、非常に大規模な計算を実行する必要があるため、内蔵コンポーネントに大きな負担がかかります。さらに、液体冷却が必要になった場合は、それに伴う問題も発生します。当社は、固定ワークステーションの性能と信頼性を最大限に高めるために数多くの構成をテストし、内部構造の完全な再構成という結果に至りました。エンドユーザーの特定のニーズを認識し、ニーズに適合する方法を見つけるという、本来あるべき姿に立ち返ったといえます。コスト面での課題の1つは、商品化までの時間短縮ですが、こうしたニーズに対して良い成果が得られたとすれば、研究開発で費やした時間を取り戻したことになります。

重要なのは、学校で学んだ直線的な「ゆりかごから墓場まで」の製品哲学を捨てることで、お客様のニーズの変化と新しいテクノロジー:の進化に対応する、大局的視点に立った方法が見えてくるということです。これは、持続可能ではありません。

当社は、循環経済に対し、「良いビジネスとは環境の良き奉仕者であること」という信念を抱いています。

当社では、機能的に古くなった製品を再利用できるよう、78ヶ国で無料リサイクル回収を実施しています。当社は、これらの材料を熟知しており、材料をどう再利用すればよいかを心得ています。

こうした材料の一部は、UL-Environment認証閉ループリサイクルのプラスチックを使ったコンピュータとして生まれ変わります。

パッケージングは、持続可能性の向上とコスト削減において、簡単に成果を出すことができる要素です。バイオスタートアップ、Newlight Technologies社との協力関係のもと、当社は、空気から温室効果ガスを取り出し、AirCarbonと呼ばれるプラスチック材料を作成しています。カーボンネガティブ材料は、環境に対して「ネットポジティブインパクト」があるだけなく、石油ベースのプラスチックパッケージングより安価であるという利点もあります。これは、以前の竹や麦わら材料をエコシステムに採用する取り組みに続く、2020年までに100パーセント持続可能なパッケージングを達成するという目標に向けた、もう1つのステップです。こうした、より軽い材料は、会社の1,800万ドルのコスト削減にも寄与しました。

当社は、持続可能性は、環境問題であると同時にビジネスの問題でもあるという観点に立っています。消費者は、新しいデバイスを開くとき、デザインのすばらしさと機能の実用性に加えて、安らぎも期待します。デザイナがそれを届けるためには、時間、意識、革新性が必要です。いずれにせよ、当社はデザインをする上で、お客様のどんなニーズにも応えていくことを大切にしています。そして現在の環境では、これが、当社のお客様に向けてデザインする際の唯一の方法であると考えます。

CIO Reviewで公開されたものです

 

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