Windows 10へ全面的にアップグレードするための計画と準備 – 連載第3回(6回シリーズ)

著者: Scott Pittman(デルCIO)

Windows 10への移行を進めているデルの取り組みを6回シリーズで紹介しています。本投稿はその3回目です。第1回「Why Now Is the Time to Begin Your Windows 10 Deployment(Windows 10の導入を今すぐ開始する理由)」をご覧になるには、をクリックしてください。第2回「Making Speed the New Standard with Windows 10(Windows 10でスピード感を新たなスタンダードに)」をご覧になるには、こちらをクリックしてください。

イノベーションを推進しつつ、安定性とセキュリティをいかに確保するか – IT部門が避けては通れない大きな問題です。安定性やセキュリティを損なうことなく、加速化するビジネスに合わせて新しいOS機能を社内に取り入れるにはどうすればよいのでしょうか。

本シリーズの第1回と第2回では、筆者とそのチームが、、それがと判断した理由を紹介しました。3回目となるこの投稿では、「2017年末までにデル社内を完全にWindows 10で標準化する」という目標へ向け、当チームがどのように移行計画を立て、準備したかについて説明します。

Windows 10を導入するにあたり、デルでは大きく分けて2つの準備作業を行いました。インフラストラクチャの準備とアプリケーションの検証です。

インフラストラクチャの準備

将来を見据えたWindows 10導入計画の一環として、デルのクライアント・エンジニアリング・チームは導入インフラストラクチャ全体を評価しました。具体的には、マイクロソフトの協力のもと、既存のグループポリシーを見直してポリシー作成を効率化すると共に、導入前のテストプロセスを評価。また、ポリシーの競合を避けるため、Windows 10を他のWindowsクライアントとは別に管理することにしました。さらに、Microsoft Baseline Security Configurationをたたき台としてWindows 10クライアントのベースラインを策定し、移行開始前にデルのセキュリティ部門に提示して承認を求めました。

次に、Microsoft Deployment ToolkitとWindows Server Update Servicesを使用して参照イメージを作成しました。デルではセルフサービス方式に則ってイメージを設計しています。したがって、この参照イメージには全社員が使用するソフトウェアコンポーネント(Officeとセキュリティスイート)のみが含まれており、あとは各自、必要なソフトウェアをデル認定ソフトウェアライブラリから入手します。参照イメージの作成中に更新プログラムが適用され、このイメージは3ヶ月ごとに更新されます。

当チームは、「サービスとしてのWindows」(WaaS)に対応するため、Configuration Managerのバージョンに関するマイクロソフトのガイドラインに従いました。WaaSはSystem Center Configuration Manager Build 1511からサポートされています。さらに、移行とサービス提供のプロセスを通じて高い可用性を確保するため、クライアントをより頻繁に更新するためのプロセスも開発しました。

アプリケーションの検証

第2回の投稿で説明したように、今後、マイクロソフトの更新プログラムは「オール・オア・ナッシング」方式で提供されます。これからは、特定の更新プログラムを選択して社内環境に適用することができません。加えて、リリース間隔が短いこともあり、IT部門とアプリケーション所有者が密に連携し、テストと導入をすみやかに実施する必要があります。Windows 10の長期的な運用を成功させる鍵は、アプリケーション所有者が握っているといえます。

Windows 10には3つのブランチ(導入モデル)が用意されています。

    • Current Branch(CB) – 新機能が最初に提供されるモデルで、ライフサイクルは約4ヶ月。Home、Pro、Education、Enterprise、IoTの各エディションで利用できます。Current Branchはコンシューマー向けに設計されています。

 

    • Current Branch for Business(CBB) – Current Branchの4ヶ月後に新機能が提供され、ライフサイクルは約8ヶ月。このブランチでは、新機能を導入する前に社内でテストするための猶予期間が設けられています。Pro、Education、Enterprise、IoTの各エディションで利用できます。

 

  • Long-Term Servicing Branch(LTSB) – Enterpriseエディションでのみ利用可能。マイクロソフトが公開してから10年間、そのバージョンを使い続けることができます。このエディションは、ほとんど変更を必要としない環境に適しています。

 

デルでは、ほとんどの導入シナリオについてCurrent Branch for Businessを採用することに決めました。となると、Current BranchがリリースされてからCurrent Branch for Businessの適用期間(8ヶ月)が始まるまでのわずか4ヶ月で、社内のアプリケーションをテストしなければなりません.。

この短い期間でテストを完了させるため、当チームは、マイクロソフトが推奨するベストプラクティスに基づいて導入サイクルを計画しました。

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最新ビルドがリリースされると、クライアント・エンジニアリング・チームはWindows Insiderの協力を得てそのビルドを評価します。最新ビルドがCurrent Branchとして公開された時点で、アプリケーション所有者はアプリケーションの互換性テストを開始します。4ヶ月後、アプリケーションの動作に問題がないことを確認できたら、サービスアップデートを全面的に導入します。Current Branch for Businessへ向けた4ヶ月のテスト期間中に問題が見つかった場合、アプリケーション所有者はクライアント・エンジニアリング・チームにその旨を通知し、マイクロソフトと協力して問題を解決します。

Windows 10ブランチがリリースされるたびに、この検証プロセスを実施します。テスト期間が短いため、アプリケーションチームは、クライアントとの互換性を最初から考慮してアプリケーションを開発する必要があります。

テストプロセスではサードパーティのセキュリティ製品が大きな障害となりましたが、エンジニアリング検証の段階でこの問題を入念に調査し、適切に解決することができました。最新リリースは、基本製品の確認が済んではじめてテストチームに渡されます。