職場でのAR/VRへの高まる要望

著者: Daniel Newman、Principal Analyst、Futurum Research

 デル提供コンテンツ

 すべての始まりはポケモンGOでした。ポケモンGOは、誰でも「現実の」世界、あるいは少なくとも拡張現実(AR)の世界で、ポケモンを捕まえてトレーニングできるようにした、単純ではあるものの独創的なアプリです。ポケモンのファンも、そうでない人たちも、ポケモンを捕えようと先を争って地元の小売店やランドマークを訪れ、ポケモン狩りに明け暮れたものです。ポケモンGOは、ARを利用した世界初のアプリというわけではありませんが、ARが実際に身近な生活に役立つことを証明しました。このアプリは、ARアプリが表舞台へ踊り出すきっかけとなり、飢餓感を植え付けられたユーザーは、さらに多くのアプリの登場を待ち望んでいます。現在、職場でもARおよびバーチャルリアリティ(VR)アプリケーションを求める声が高まっており、この没入型テクノロジーを業務に活かそうという新たな動きが生まれています。

モバイルからゴーグルへの流れの追跡

 2014年に我々技術屋がデスクトップからモバイルへのシフトを追跡し、モバイルが最終的に優勢になったことを報告(英語)したのと同様、「ゴーグル」の普及率の追跡調査も行われています。デスクトップ画面からゴーグル、ヘッドセット、および周辺機器への目覚しい流れは、2016年に既に目にしていますが、今、新しいツールが続々と登場しつつあります。仮想化エンジニアおよび設計者は、2017年以降、装着しやすいよう、ハードウェアの小型軽量化を図っています。Google、Microsoft、Facebook、Samsung、GoProなどの主要ブランドも、VRおよびARアプリケーションに資金を投入しています(Apple、IBM、およびAmazonもプロジェクトを開発中です)。このことは、仮想化が一過性のトレンドや技術的な流行ではなく、今後定着していくことを証明しています。

ゴーグルがモバイルに、さらにはデスクトップに取って代わるわけではありません。むしろ、仮想化ハードウェアとソフトウェアを、モバイルデバイスを使って直感的に操作することで、デバイスにポケモンGOをインストールしたときに味わった、シームレスなユーザー体験が生まれるのです。ARテクノロジーとVRテクノロジーは、職場でも主力テクノロジーとして使用される可能性があります。当初より職場でのAR/VRについて積極的に発言(英語)し、マーケティング、小売業者への顧客誘導、および究極のユーザー体験の創出など、驚くほどの数のビジネスアプリケーションが生まれる可能性を認識していました。ようやく、イノベーションが想像力に追いつこうとしています。

実際の職場でAR/VRを使用する方法についての学習

 ARテクノロジーとVRテクノロジーが職場を変えると予測するのは簡単ですが、ビジネスに実際に試してみるまでは、テクノロジーの実体を想像するのは難しいかもしれません。ただし、多少の想像力を働かせ、いくつかの驚くべき統計データを見れば、AR/VR/複合現実(MR)を採用した職場を思い描きやすくなるはずです。AR/VRテクノロジーに関してデルがグローバルな職場プロフェッショナルに対する調査を実施した結果、現代のワーカーは、将来、これらのアプリケーションに以下を期待していることが分かりました。

  1. 第1位はコラボレーション。ミレニアル世代の67 %とベビーブーム世代の48 %が、会議やコラボレーティブプロダクトでAR/VR製品を使用することが重要であると考えています。
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  3. 第2位はトレーニング。プロフェッショナルの23 %は、仮想環境での新しいスキルの獲得とトレーニングにAR/VR製品を利用したいと考えています。
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  5. 第3位はマーケティング。ミレニアル世代のプロフェッショナルの19 %(ベビーブーム世代の11 %)は、アイデアや製品をクライアントに紹介する際にAR/VR製品を使用する予定です。
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  7. 第4位は社会化。プロフェッショナルの6 %は、AR/VRを同僚との交流に利用しようと考えています。
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過半数のミレニアル世代(63 %)とX世代(58 %)のプロフェッショナルが、ARおよびVRアプリケーションなど、技術的恩恵が職場にもたらされることを歓迎しています。途上国では、プロフェッショナルの77 %(先進国では45 %)が、むしろハイテクの恩恵を受けることを希望しています。このデータからは、ARとVRが職場では導入され始めたばかりのテクノロジーであったとしても、世界中のビジネスプロフェッショナルが、複合現実デバイスの使用を熱望していることが分かります。

複合現実作業スペースのパワーの活用

実地トレーニングをより楽しくする、または仮想不動産ツアーにクライアントを招待するなど、ほぼあらゆる業界が、ARとVRから何らかの恩恵を受けることができます。特に、新しいビジネス主導のAR/VRテクノロジーを用いれば、オプションは、想像力が許す限り無限にあります。以下に、AR/VR作業スペースアプリケーションの例をいくつか紹介します。

  • ゲーム感覚を取り入れる。ポケモンGOを手本としたARゲーミフィケーションは、主要なテクノロジーを採用せずに職場を改善できる、可能性を秘めたツールです。トレーニング、コラボレーション、マーケティング、営業など、日常業務アプリケーションのゲーミフィケーション(英語)は、生産性、貢献意欲、および幸福度の高い従業員の増加につながる可能性があります。ゲーミフィケーションは、精力的に働く従業員をねぎらい、競争の機会を増やし、従業員にタスクを遂行する際に必要な動機を与える役割も果たします。
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  • 危険を伴わない実地トレーニングを従業員に提供する。VRヘッドセットをトレーニングインフラストラクチャに組み込むことで、従業員トレーニングのコストを削減し、怪我をする心配なく実地トレーニングを実施することができます。これは、重機による作業、危険な用途、および手術室などの生死にかかわる状況で特に重要です。トレーニング中にVRヘッドセットを使用することで、従業員は、危害が及ぶおそれなしにジョブを体験することができます。
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  • リモートワーカーをつなぐ。ホログラフィック画像テクノロジーのおかげで、リモートワーカーに対して考えられるARとVRの用途は、驚くほど広がっています。例えば、各地のリモートワーカーとホログラフィック・テレプレゼンス・ミーティングを開催できます。または、人事部がVRテクノロジーを使って、世界中の有能な志望者に対して面接を実施することが可能です。こうしたイノベーションは、思った以上に高い実現可能性を持っています。2014年の時点で、Right Management’s Flux Report(英語)に、HR決定者の49 %が今後5年以内にホログラフィックを使用するようになると予測していることが示されています。
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  • 今までにない方法で市場を開拓する。ポケモンGOが世界中のユーザーに旋風を巻き起こしたように、AR/VRテクノロジーを利用して、デジタルサイネージの壁、アプリ、およびその他のスマートテクノロジーを用い、新たなワクワクする方法でブランドを市場に広げることができます。モバイル向けARアプリケーションを使用した対象者へのアプローチは、消費者を取り込むための信頼のおける、楽しい手段となります。ポップアップ広告でお客様を苛立たせることなくメッセージを伝えることができ、ARの使用によって広告用のまったく新しいプラットフォームが得られます。
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未来のワーカーにとって重要なものは、レンガ造りの職場や20世紀のペンと紙の共同作業ではないことを認識する必要があります。分かりやすい統計データを1つ示します。ミレニアル世代の77 %には仕事でARおよびVRを使用する意思がありますが、ベビーブーム世代の場合、47 %にとどまっています。従業員は近い将来、スマートオフィスで働くことを期待しています。業界で最高の人材を惹きつけて維持するには、最新のイノベーションを導入する必要があります。市場に登場する新しいデバイスをすべて購入するよう勧めるわけではありませんが、ARとVRは投資すべきテクノロジーです。